初めて見た、コメディバレエ、グランディーバ バレエ団

男性だけで構成されたNY初のコメディバレエ団として有名な、グランディーババレエ団を初めて観に行きました。
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宝塚の逆版、しかもコメディとあって、
ずっっと長い事気になっていたのですが、やっと観にいけました。

今回はスタジオのお友達と一緒でしたが、
旦那がいつもTVのCMが流れる度に「電話してこれ!バレエ!バレエ!」
って、唯一「バレエ」に興味を示してくれるバレエ(・・・・・・)なのでした。


場所は、池袋にある東京芸術劇場の中ホール。
客席は2階の半分ぐらい空席が目立つものの、全体としては8割ぐらいは埋まっていた感じでした。



本日観た演目と感想をざざざっと。

◆夜の密会

タンゴ:     ハナ・カワイイ&瀬川哲司
プレリュード:  シャキーラ・ゲーラ & ラモン・ガイタン
マズルカ:  ダーシー・マッセル & マラカイ・スクワイア

本来のバレエでは絶対に観られないもので、
男性が女性を投げたり、落したり、ひきずったり、
ド厚化粧の怖顔のダンディ達の顔演技がかなりおかしかったです。
しょっぱなから笑わせてくれたので、次も期待させてくれる作品でした。


◆スターズ・アンド・ストライプス・パ・ド・ドゥ

ローレン・アンダーソン・クーパー& ビリー・ブランケン

大好きなバランシン作品がどう料理されるのかが楽しみだったのですが、
結果として凄い欲求不満に陥りました。
バレエ団の中でもテクニシャンを選んだ?様で、
笑いの部分があまり入っておらず、
クラッシックを観る様な気分でみていたら、
アームスがピンとしていたり、動きに滑らかさがなく、細かい所で気になる所が多くて、
胸につかえるものがたくさんありました。


◆ニア・ザ・ミドル 

パール・リー・ゲイツ & マラカイ・スクワイア
イメルダ・ハードトゥ & ロバート・ロサリオ
ダーシー・マッセル
ティファニー・アン・カルティエ & ラモン・ガイタン

これが、本日のゴールドメダル演目でした。
これ観られただけで十分と思ってしまったほど良い作品でした。
シルヴィ・ギエム風の女性が出てきて、イン・ザ・ミドルのパロディかな?と思ってみていたのですが、
全員が終始真剣に踊りきった(ラストを除く)ニア・ザ・ミドルでした。
男性の肉体的能力を最大限に見せつけてくれた作品で、
とにかくダイナミックで、キレがよく、スピード感あり、圧巻でした。
ジャンプは男性にはかないませんので、跳躍がとにかく凄くフォルムも綺麗でした。
また、ぴたっと張りついた黒い衣装にひきしまった体が際立ちとても美しかったです。


◆ゴットシャルク パ・ド・トロワ

小アレグロ:  エヴァ・リン・ハード
大アレグロ:  ギルダ・ジェラート
ピルエット:  シャキーラ・ゲーラ

これが本日、一番睡魔にとりつかれそうになった作品。
発表会レベル。
笑いとしても、踊りとしても、とにかく中途半端。
踊りが中途半端なのを全て笑いとしてごまかしている様に見えてしょうがなかった。


◆瀕死の白鳥
カリーナ

グランディーバの公演でまず初めに「瀕死の白鳥」が出てくるのがよおおおおく解りました。
演技としても、踊りとしても、笑いとしても、最高レベルです。
Youtubeでみたノリタケバレエ団のTV番組に出演した時に踊ったものを想像して行ったのですが、
それよりはるか数段上にレベルアップしており、
カリーナは体も顔も横に広がってデブッっと可愛らしく、人気オカマバーのママ風。
加えて、会社で「最近メタボがひどくて」と話す飲み好きな親しみやすそうな部長なんかも想起させます。
このどこにでもいる(オカマに扮した)部長さん風スタイルで、
これからクリスマス会の余興やります風な感じの雰囲気を漂わせ、
怪しげな厚化粧をしたあつかましい感じの鳥に扮装した姿が出てきただけでまず相当笑えます。
そして、顔のパーツを余す所なく使った大げさな顔演技がほれぼれするほど素晴らしく、
関節外れる妙技の瀕死の白鳥は、
バレエの瀕死より遙かに本物の瀕死の白鳥に見えて、
「これが本当の瀕死の白鳥です」と舞台から主張されている気がしました。

この瀕死は脳内に充満し、時々みないと中毒症状がおきそうな感じです。
会社の忘年会で部長や取締役にお願いします!とリクエストしたくなるほどです。
観客席には既にとりつかれて脳内感染された重篤患者が多数いた模様。


◆ミンクス・ガラ
全員出演

最後は総出演で楽しくまとめてくれました。
(笑いが少ないバリエーションなどは欲求不満になって苦しかったのですが)


今日は舞台を観ていてあっと思った事があったのですが、
観客の反応がとても素直で、拍手のタイミングがわかりやすくとても気持ちのよい拍手でした。
通常のバレエの舞台を観にいっている時には、なんとなく周りのタイミングを伺う事があるのですが、
今日は、良い時には素直に皆がパチパチ拍手を始めるといった感じで、
エカルテが凄く綺麗であればそこに拍手、
ピルエットの着地が完璧で綺麗であればそこに拍手、
ジャンプが気持ちよくのびやかで綺麗であればそこに拍手と、
凄くよいタイミングで皆さんとてもこまめに拍手していて、
回転数やジャンプの高さに関係なく、
皆綺麗だな~と感動するポイントはだいたい同じなんだ~と感じました。


余談ですが、休憩中にここ十年ぐらい毎年見ているという方と話をしたのですが、
「最近は技術レベルが落ちていて酷い、首が落ちて顔が前に出てるでしょ、酷いわよねあれは」
「これじゃお客がはなれるわよ」
「今日はアンケートにきっちり書いて帰ろうと思うわ」
「テクニックではモンテカルロの方がずっとしっかりしてるわね」
と、不満をおっしゃられてました。


やはりそうだったのですね。
次回は技術面がもう少しレベルアップしてくれていると、
もっと楽しいだろうなーと思います(*′艸`))+:


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