「世界わが心の旅 ウクライナ 精霊たちが踊る舞台 山岸凉子」

先日またまた、SONYのおまかせ予約で良い番組が録画されていました。

漫画家の山岸涼子さんが新しいバレエ漫画作りの為に、
バレエの本場ロシアのキエフを訪れた番組です。
(2000年にNHKのBShiで放送された番組の再放送です)

キエフは、山岸涼子さんの19年前の作品で、
泣き虫のノンナが成長して立派なバレリーナになる「アラベスク」の物語の始まりの場所です。

番組では、まず、キエフバレエ団の元プリマで、
現校長であるタチアナ・タイアキナさんと28年ぶりの再会をします。

タイアキナさんは、その漫画アラベスクの中の「タチャーナ・タヤーキナ」さんのモデルで、
キエフバレエ団で20年近くプリマを勤められた人物です。

彼女は、今も現役の様にすらっとしたスタイルの人でした。

旧ソビエト連邦時代から、バレエ学校への立ち入りは非常に厳しく制限されているそうですが、
今回は特別にキエフバレエ学校の内側を案内してくれました。

現在、10歳から18歳まで230人の生徒がプロを目指しているそうです。
簡単に割り算すると、1学年25人ほどがいそうですね。

中を案内するだけではなく生徒のクラスレッスンも見せてくれたのですが、
その中で、特に印象的だった映像が、
身体的にプリマ候補から外れた子を紹介するシーンでした。

「この子は筋肉がつきやすく、プリマの要素であるしなやかな表現には適しません」
「この子は(身体的)成長がとまり大きな表現が出来ません」

そして、プリマに必要な要素について、こう語っていました。

必要なのは技術ではありません、技術は練習すれば身に付けられます。
 才能は神から与えられた才能です。
 精神力も必要です、人を感動させる程の精神力の強さがなければいけません

まず肉体的条件をクリアして、その上で努力で技術を積み上げ、
精神力が強い者だけが上に昇っていく。

そして、そこに練習では身に付けられない生まれながらの気品も加わるのだそうです・・・

これがバレエの世界でやっていく為の要素なんですね。

シェフチェンコ劇場の舞台に山岸涼子が立って観客席を静かに見つめていましたが、
ステージ上のダンサーは皆ここの上から美しい劇場を見ているんですね。


【山岸涼子さんの漫画を読んで見たい方へ】
アラベスク (1) 第1部上 (白泉社文庫)
アラベスクは、1部2部、それぞれ上下巻です。

ヴィリ (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)
最近の作品だとこれです。


【番組情報】
残念ながら再放送の予定はない様です。


【キエフバレエ団の公式サイト】
Kiev Ballet

アリーナ・コジョカルは、キエフ・バレエ学校の特待生で、ここからローザンヌでスカラーシップをとり、ロイヤルバレエ学校に留学したんですよ。

vol.4 エフゲーニャ・オブラスツォーワのヴァリエーション・レッスン

先日、世界のプリマバレリーナたち vol.4 オブラスツォーワ&ノーヴィコワのヴァリエーション・レッスン [DVD]を購入しました。

2008年にロシアで製作された、ヴァリエーションレッスンのDVDです(日本語字幕付)。
収録時間は70分間とお得でした。

私が購入した目的は、お気に入りの「オブラスツォーワ」を観たくてなのですが、
DVDの出演ダンサーは2人、共にワガノワ・バレエ学校で学び、
現在、マリンスキーのファーストソリストの位置するダンサー達です。

4つのバリエーションレッスンとそれぞれへのインタビューが収録されています。

まず、1人目は、オレシア・ノーヴィコワ(Олеся Новикова)で、品良く感じの良いダンサーです。
指導はオリガ・モイセーエワ(ソ連邦人民芸術家でワガノワの直弟子)です。

収録された作品は、以下の2作品。
「ジゼル」第1幕より ジゼルのヴァリエーション
「ドン・キホーテ」第3幕より キトリのヴァリエーション

最近、ペルミバレエのドキュメンタリで見た、落雷し続ける先生達が印象に残りすぎていて、
モイセーエワ先生の貫禄と余裕たっぷりのニコヤカな笑顔はTV用かしら?と思いつつ、
それでも、「足もっとあげなさい」とか、「音に遅れてるわよ」
「始めの頃の貴方の方が良かった」と、ゆったりとした口調で注意は飛び続けます。

ノーヴィコワは、マリインスキーでは、オブラスツォーワより期待されて役がついている様ですが、
オブラスツォーワの事で頭がいっぱいなのもあり、
私にはあまり興味のわかないダンサーでした。


2人目は、エフゲーニャ・オブラスツォーワ(Евгения Образцова)で、音楽性豊かなダンサーです。

指導は、現役ダンサーでもあるエルヴィラ・タラソワ。

収録された作品は、以下の2作品。
「ヴェニスのカーニバル」より サタネラのヴァリーション
「アルレキナーダ」より コロンビーヌのヴァリエーション

個人的には、サタネラのヴァリエーションレッスンの方がすきです。

エルヴィラ・タラソワは、モイセーエワとは違い、注意の口調は厳しい方です。
ところどころ、オブラスツォーワが、立ち止まって考えてからまた動き出します。

「プリエする度にお尻突き出してるわよ」とか「プリエが汚い」「足がインに入ってる」、
という注意にちょっとびっくり。

プロでもこういう注意受けるんですね。

「あなたの回転の仕方は」の注意が何度もありましたが、
タラソワさんの踊りを見てみたくなりました。

あと、なるほどと思ったのが「手でカウントをとりなさい」と。
わたしはレッスンでは、よく「手が遅れてるわよ!」と怒られますが、
ボディで音をとると、末端はどうしても遅れてきますよね。
なるほどx2と思いました。

レッスンで上の様な注意は聞いているはずなのですが、
振りの事とか、いろいろと頭の中がてんぱってて、
言葉が入ってこない時が多いので、
たまに落ち着いてビデオを見るのも良いなと思いました。

オブラスツォーワは、背が低いため、
長身のダンサーと比較して華やかさには少しかけてしまいますが、
それでも、音楽性があり、観ている人を幸せな気分にさせてくれる素敵なダンサーだと思います。

このDVDに関していえば、大好きなオブラスツォーワの踊りからみると、
★三つと半分ぐらいで、若干物足りないものがありました。

これからどんどん活躍の場が増えるといいなと期待しています。

【Amazon】
世界のプリマバレリーナたち vol.4 オブラスツォーワ&ノーヴィコワのヴァリエーション・レッスン [DVD](配送料無料)


まだ見た事がない方、まずはYoutube映像をこちらから


【公演情報】
マリインスキーの来日公演情報(チケットぴあ)をチェック。
(「マリインスキー」で検索します)


ご参考までに、オブラスツォーワの経歴です。
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ワガノワバレエ学校を卒業し2002年にマリンスキーに入団。
教師は、ロパートキナを育てたことで有名なNinella Kurgapkinaさん。
現在はマリンスキーのファーストソリストのポジションで、
時々主役も踊り(ロミオとジュリエットでデビュー)、他のバレエ団にゲストプリンシパルとして招待されています。
2005年、Moscow International Competitionのシニア部門においてゴールドメダルを取得し、
2006年、イタリアではレオニードマシーン賞を受賞。
バレエのほかには、2005年、フランス映画でロシアンドールズという作品にロシア人バレリーナ役で出演。
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