エトワールガラ 2010 Aプロ(8/1) 観に行きました

久しぶりにバレエを観に劇場に足を運びました。

会場 Bunkamuraオーチャードホール 「エトワールガラ」
公演日程 8/1(日) Aプロ


イザベル・シアラヴォラ(パリ・オペラ座 エトワール)の怪我で、
代役として、エフゲーニヤ・オブラスツォーワ(マリインスキー ファースト・ソリスト)が抜擢された、
という話を耳にして、大興奮。
ここ最近、チケット代の高さをみて行くかいかまいかずーっと悩んでいたのですが、
ヤフオクで良席(6列目)を見つけたので、思わず即決で観に行く事を決めました!



オブラスツォーワを見るのはNBA公演のドンキを観に行って以来です。

AプロとBプロの2種類あり、
Bプロだと、彼女のはまり役のジュリエットが見られるしBプロにしようかと悩みましたが、
ここは、敢えてオペラ座のダンサー達と交わるとどうなるかを見る為に、
Aプロを観に行く事にしました。


<Aプロ>
「シルヴィア」より
(振付:J.ノイマイヤー、音楽:L.ドリーブ)
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
初見です、ハンブルク・バレエ団 プリンシパルだそうです。

長い髪を振り回し野生的な感じ。
いさましいシルヴィア・アッツォーニの存在感溢れる作品でした。
衣装も1分丈のスパッツにジップアップのベストで、
いたってシンプル、動きは体操の様にいさましかったです。
アレクサンドル・リアブコはとても柔らかく滑らかな動き感じで素敵でした。

前だからよくみえたのですが、
踵を押し出す動きの足が凄く綺麗でした、
踵を前に出すとはこういう事なのか、と始めて知った感じです。


「カルメン」より寝室の中
(振付:R.プティ、音楽:G.ビゼー)
エレオノラ・アバニャート、マチュー・ガニオ

作品の役づくりか、エレオノラがいい感じでエロく仕上がっていました。
腰の周りから膝上にかけてのあのちょっとむちっとしたラインとか、
彼女のエロさはあの足にもある様に感じます。
ただ、アラベスクの形が綺麗だなとは思ったけれど、
観ていて一度も鳥肌がたたなかったので、音も表現も多分微妙でした。
好みではない為、基本的にあまり印象に残っていません。


「天井桟敷の人々」よりスカルラッティ・パ・ド・ドゥ
(振付:J.マルティネス、音楽:D.スカルラッティ)
ドロテ・ジルベール、ジョシュア・オファルト

ドロテの良さを始めて知る事が出来ました。
彼女の踊りは綺麗だけど、イマイチどれも薄く印象に残ってこなかったのですが、
これは今まで観た中で一番良かったと思います。
暗がりの中無音で始まったのですが、その動きは繊細で優雅で気品があって美しく、
鳥肌がぞぞぞっとたちました。
その後も、ドロテがエトワールである事を何度も実感出来ました、
足の動き、からだの使い方、一つ一つのポジションがとても綺麗、
それに加えて、ピルエットも軽々と4回、もちろんサポートなしでまわっていました。
とても丁寧で綺麗な踊りで、大好きなメゾン・ド・ショコラのチョコの様に綺麗で秀逸でした。
モノトーンの衣装もよく似合っていました。

それと、もう一つ発見。
ジョシュア・オファルトがとても良かった。
エトワールのサポートというのもさぞ緊張する事だとうろ見ていたのですが、
そのサポートは、存在感を感じさせず、ドロテをひたすらひきたたせて、
優秀な黒子だなと感心していたら、その後のソロをみてびっくり(@_@)
動きが軽快で爽快感があり、自然で無理な所がない綺麗な踊りを披露してくれました。
これは、今日のちょっとした大発見でした。


「フェリーツェへの手紙」(世界初演)
振付:J.ブベニチェク 音楽:H.I.F.フォン・ビーバー
演奏:寺神戸亮(バロック・ヴァイオリン)
出演:イリ・ブベニチェク

なかなか面白かった、手紙を出したり受け取ったり、
端の席なので幕中で手紙を彼に出しているダンサーまでしっかり見えたが、
幕中でサポートしているダンサーもキレのあるかなりいい感じに演じていた。
でも、これは1回見ればもういいかな・・・、
でも多分これは彼じゃなきゃこの世界観は出せず、とてもつまらないものになるかもしれない。


「人魚姫」より
(振付:J.ノイマイヤー、音楽:L.アウアーバッハ)
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

これ超やばかったですよ。
アッツォーニもさっきの野生児みたいなのとは別人かと思いました。
この『人魚姫』の主演を評価され、モスクワ、ボリショイ新劇場でブノワ賞最優秀女性バレリーナ賞に輝いたそうです。
御とぎ話の人魚姫の様な人魚ではなく、
甘美で残酷なグリム童話に出てきそうな人魚でした。
あの、尾ひれのビチャビチャビチャと揺れる姿、目にやきついてます。
足をすっぽり覆い隠してまだ長さのある衣装をひきづりながら、
転ぶ事もなく、尾ひれの動きをよく表現していて、
青い妖怪ちっくなメイクと、今にも王子を食べてしまいそうなおどろおどろしい表情と、
観ているこちら側が魔窟にひきづりこまれそうでした。
バレリーナであって一流の役者だなと感じさせられました。


「アルルの女」より
(振付:R.プティ、音楽:G.ビゼー)
エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ

これも先ほどに続いてちょいっといやらしい感じ。
席が近いので、エレオノラの息遣いが聞こえてきたのだけど、
結構大きな音が聞こえるのでちょっとびっくり。
こんなに大きな呼吸をしているのかと思いました。
白のすけすけワンピの下がノーブラで思わず透けてる胸をみて(@@)しまった。
2回みても、彼女の踊りは私にはぴんとこない、とても残念。


「三銃士」≪世界初演≫
(振付:P.ラコット、音楽:M.ルグラン)
ミレディー(謎の女)/マリ=アニエス・ジロ
リシュリュー(枢機卿)/バンジャマン・ペッシュ
コンスタンス(侍女)/エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
ダルタニアン/マチアス・エイマン
アンヌ王妃/ドロテ・ジルベール
ルイ13世(国王)/マチュー・ガニオ
三銃士
アトス/イリ・ブベニチェク
アラミス/ジョシュア・オファルト
ポルトス/アレクサンドル・リアブコ

さて、一番楽しみにしていた、オブラスツォーワの出番です。
最初もう出てきてから直に「超可愛い~~~(*′艸`))+:」と思わず大きな声で独り言。。。
アニオタが好きなメイドとはまさにこういうのをいうのじゃないのかと思う。
顔が小さくて目がまんまるでお人形さんみたいなのに、テクニックが抜群。
ターンアウトとかお尻に隙間あいてるんじゃないかと思うぐらい、
線がくっきりでてます。
侍女の衣装も可愛い、踊っても可愛い、笑顔も可愛い、と一人よだれもの。
代役だけど、これはまり役じゃない?って思うぐらい、
オブラスツォーワの魅力を引き出している振りが多かったと思います。

エイマンとくんで踊る姿もまた恋する乙女でとても可愛い。
キスシーンをみては、エイマンは絶対オブラスツォーワに恋をした!と何度も思いました。

海老蔵が、小林麻央に出会っちゃったみたいな、もうどうしようもない感じでメロメロですね。
(エイマンはそんなにいけめんじゃあありませんが)

この三銃士は、フランス版時代劇みたいな感じの軽いノリで楽しい作品に仕上がっていました。

男性が中心となる舞台ってあまり観た事がないので、
テクニックの見せ場盛りだくさんな振りに圧倒されました。
ヴァリエーションのコーダ大集合みたいな感じですね。
踊り手がドンドン変わりながらテクを見せ付けてくれるのをみるのはとても楽しいです。
男性の見せ場といえばピルエットとジャンプ、というのではなく、
細かい超絶アレグロ的な振りに「凄い」と何度も呟いて溜息が出てしまいました。
アンボワテで端まで移動するのとか、高く鋭く早くとても綺麗でした。
他にも早い音の中で小刻みにどんどんステップ踏んでいくのは圧巻でした。

マチアス・エイマンは、難しそうな振りもゴム鞠の様にはずみながら軽快に踊りこなし、
ジョシュア・オファルトもやはりラインが綺麗でこれから期待出来そうな素晴らしい踊りを披露していました。

ドロテはさっきの作品の方が良かったな。
多分もともと質素なイメージなので、重たい役をやるとどんどん暗くなっていく様に感じました。
あとは、アニエス・ジロ同様に長いスカートが邪魔そうに見えました。
アニエス・ジロがオブラスツォーワに薬をもって殺すシーンは、超イヤでしたね。
そこは凄みがあって、怖かった。

マチュー・ガニオ君はかなりのイケメン王子だけど、イケメン以上ではない様な。
かっこよく生まれすぎた為に、イケメンをすてられない男にみえなくもない。

ただ、知っているはずなのにストーリーは正直よくわかりませんでした。
短縮しすぎか、何で次にこの展開?と思う事もしばしありました。

男性を見比べられたのは大変良かったのですが、
女性は絡むところが殆どなく比較が出来ませんでした。
オブラスツォーワとドロテを左右に並べてみたかったので、ちょっぴり残念。

あ、そういえば、会場でモニク・ルディエールを観ました♪
モニクはまだパリオペの中では私の一番かな、ちょっとラッキーでした。
只今、来日中で特別レッスンされているはずです。

私の次のターゲットは、
ボリショイ・バレエ&マリインスキー・バレエ 合同ガラ公演 ロシア・バレエのスターたち2010 です。

公演期間:2010/10/23(土) ~ 2010/10/27(水)
会場:東京文化会館 大ホール (東京都)

断然オブラスツォーワ目当てですが、S席の2万3千円はさすがに厳しい・・・

ご参考までに、オブラスツォーワの経歴です。
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ワガノワバレエ学校を卒業し2002年にマリンスキーに入団。
教師は、ロパートキナを育てたことで有名なNinella Kurgapkinaさん。
現在はマリンスキーのファーストソリストのポジションで、
時々主役も踊り(ロミオとジュリエットでデビュー)、他のバレエ団にゲストプリンシパルとして招待されています。
2005年、Moscow International Competitionのシニア部門においてゴールドメダルを取得し、
2006年、イタリアではレオニードマシーン賞を受賞。
バレエのほかには、2005年、フランス映画でロシアンドールズという作品にロシア人バレリーナ役で出演。
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まだ見た事がない方、まずはYoutube映像をこちらから
映像なのに、ジゼルやキトリやいくつも鳥肌がたつのがあります。
映像観ていて鳥肌が立つダンサーはそういません。

是非生で見てみたい方は、
マリインスキーの来日公演情報(チケットぴあ)も要チェックです。

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